世にも珍奇な、英語標識 その6
こんにちは。エリアルです。
きれいな空気の食べ処や、カフェや、ホテルについて書くつもりでしたが、、、
台湾で発症した気管支炎から併発した内耳炎で、フライト移動が、一時的にできなくなっているのと、
おまけ的に始めた、このシリーズの題材に事欠かないのとで、
五月雨式ではありますが、「世にも珍奇な、英語標識 その7」に行ってみたいと思います。
これも、又、某ホテルの予約キャンセル画面。
予約キャンセル手続き実行後に、出てきた表示です。
Cancellation of reservation is completed.
一文目は、「予約のキャンセルが、完了しました。」という意味ですが、
予約・キャンセルを行った、「特定の予約者」のキャンセルですから、いきなり、ただ、Cancellation では唐突です。
どんな cancellation なのか、特定する必要があります。
この構文のままにするのであれば、「お客様=あなたの」を意味する、Your をcancellation の前に置くべきでしょう。
さらには、予約ありきのキャンセルですので、「予約の」キャンセル、とわざわざメンションする必要はないと思います。
もっと自然な言い回しにするならば、「(お客様の)予約を、キャンセルしました。」と言う意味の、
Your reservation has been canceled.
Your reservation is now canceled.
We have canceled your reservation.
などが、よいかと思います。
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We are waiting for the use of another
問題は、この二文目です。
おそらく「又のご利用をお待ちしております。」を、大学入試問題に解答するノリで、訳したのだと思われます。
ところが、残念ながら、英語としてかなり不自然です、というか、イミフです。
英語のネイティブスピーカーが、日本語の原文の知識なしに、これだけ見たら、眉をひそめると思います。
日本語を字面だけで、直訳しておかしなことになる、典型的な例でしょう。
訳云々以前に、英文だけみても、未完結です。
Use of another だと、「別の◯◯の使用・利用を待っています。」であり、
◯◯の部分の情報が、ヌケています。
あと 「お待ちしています」の意味で、「待つ」 というには、wait は不適切です。
- Wait for~ - 確かに、「〜を待つ」という意味です。でも、どちらかというと、何か頼んだり、注文したり、予定されているもの・サービス・人が届いたり、現れるのを「待つ」、と言ったようなニュアンスがあり、言われた相手は、暗に「期待」「催促」されているような、圧力を感じてしまう可能性があります。
- Look forward to ~ - 「心よりお待ちしています」「楽しみにしています」ここでは、この表現の方が適しています。We look forward to serving you again soon. という表現が、ビジネス場面での定番ですね。
- Looking forward to ~ing - Look forward to ~ のカジュアルバージョン。友達同士、気心の知れた仲で使います。メールや手紙でも同じです。
というわけで、
We are looking forward to serving you again soon.
「またのご利用をお待ちしております。」
とするのが、適切でしょう。
辺りを見回せば、英語学習の教材があふれかえっていますね(笑)。
他人のふり見て、我がふり直せ、です。
こんな作業を、通訳中も、絶えず行っています。
字面だけにとらわれず、言わんとしているポイントは何か、
訳出する、ターゲット言語が、何語であろうと、自然な表現になっているか、
を、常に気を付けながら、必要あらば、思い切って、語順や表現を変え、意訳します。その方が、聞き手が理解できるからです。
というわけで、言葉は、本当に奥が深く、毎回、何か新たな発見があります。
一生、勉強が続きます♪
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